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役員報酬の手取り早見表【令和8年版】|月10万〜150万円の手取り額と会社負担を一覧で

役員報酬の手取り早見表|プロゴ早見帳
役員報酬の手取り額を、月10万円から150万円まで一覧できる早見表にまとめました。令和8年分の所得税(基礎控除の改正反映)・住民税・協会けんぽ令和8年度料率で試算し、本人の手取りだけでなく、会社負担の社会保険料まで含めた「法人の総コスト」も併記しています。報酬月額50万円なら、手取りは月あたり約39万円(手取り率78.1%)、会社が実際に負担する総額は年687万円——額面の約1.15倍です。

Assumptions

目次

試算の前提(令和8年分・共通)

報酬月額50万円(年600万円)の行き先——東京・40歳未満・令和8年分 額面 年間報酬 6,000,000円 本人 社保 85.1万 手取り 4,686,000円(78.1%) ▲ 所得税 15.2万 ▲ 住民税 31.0万 会社 年間報酬 6,000,000円 会社負担 87.3万 法人の総コスト 6,873,000円 = 額面の約1.15倍 / 手取りは総コストの約68% 会社負担=健康保険・厚生年金の会社折半分+子ども・子育て拠出金(厚生年金の標準報酬月額×0.36%)。役員に雇用保険・労災はない

「額面」「手取り」「総コスト」の3つの数字を並べて見るための表。会社が払う87万円は本人の給与明細には現れない

  • 税金:所得税は令和8年分(基礎控除・給与所得控除の改正反映)。住民税は所得割10%+定額部分年5,000円(均等割4,000円+森林環境税1,000円)の概算です。
  • 社会保険料:協会けんぽ東京都・令和8年度料率(健康保険9.85%・介護保険1.62%・厚生年金18.3%・子ども・子育て支援金0.23%込みの本人折半分)。報酬月額を等級表に当てはめた標準報酬月額で計算しています。
  • その他:独身・扶養なし、定期同額給与のみ(賞与なし)、役員のため雇用保険はありません。
詳しく見る:40万→45万円で手取り率が逆転する理由、令和7年分との増減内訳、令和10年分からの戻り

報酬月額と標準報酬月額のずれ:社会保険料は報酬月額そのものではなく、等級表に当てはめた標準報酬月額で計算します。報酬月額40万円は標準報酬月額410,000円(395,000〜425,000円の等級)、45万円は440,000円(425,000〜455,000円の等級)となり、報酬額と一致しません。表で報酬月額45万円の手取り率(79.0%)が40万円(78.9%)をわずかに上回るのは、この等級の当てはまり方の違いによるもので、誤植ではありません。

令和7年分との比較:令和8年分は基礎控除の引き上げにより、同じ報酬でも令和7年分より手取りがわずかに増えています(報酬月額50万円で年3万円台の増加)。同時に、健康保険料率は東京都で9.91%→9.85%に下がった一方、子ども・子育て支援金0.23%が新設されたため、社会保険料の本人負担は年5,100円ほど増えています。手取り増はこの分を差し引いた後の数字です。

令和10年分からは手取りが下がる:この引き上げのうち、基礎控除の加算42万円と給与所得控除の上乗せ5万円は令和8年分・令和9年分限りの特例です。現行法のままなら令和10年分は加算が37万円に縮小して所得区分ごとの段階制に戻り、給与所得控除の最低保障も69万円に戻るため、手取りは令和8年分よりやや減ります(令和8年度税制改正で物価上昇に連動して2年ごとに控除額を見直す仕組みも創設されており、実際の金額は物価次第で変わります)。役員報酬は原則として期首から3か月以内にしか変えられないため、令和10年3月期以降の設計では、この戻りを見込んでおく必要があります。

▶ 社会保険料の内訳(健康保険・厚生年金の等級別の金額・都道府県別に切り替え可)は、社会保険料の早見表【令和8年度・都道府県別】で全50等級を一覧できます。

Quick Reference

役員報酬の手取り早見表(40歳未満)

介護保険料のかからない40歳未満の表です。青字が手取り(年)、右端の金色列が会社負担込みの総コストです。

役員報酬の手取り早見表(40歳未満・令和8年分・協会けんぽ東京)
報酬月額 年間報酬 社会保険料(本人・年) 所得税(年) 住民税(年) 手取り(年) 手取り(月あたり) 手取り率 会社負担込み総コスト(年)
10万円 1,200,000 166,872 0 5,000 1,028,128 85,677 85.7% 1,371,108
15万円 1,800,000 255,420 0 39,800 1,504,780 125,398 83.6% 2,061,900
20万円 2,400,000 340,560 11,100 85,300 1,963,040 163,587 81.8% 2,749,200
25万円 3,000,000 442,728 27,400 117,100 2,412,772 201,064 80.4% 3,453,960
30万円 3,600,000 510,840 45,300 152,300 2,891,560 240,963 80.3% 4,123,800
35万円 4,200,000 613,008 64,600 190,000 3,332,392 277,699 79.3% 4,828,560
40万円 4,800,000 698,148 84,700 229,500 3,787,652 315,638 78.9% 5,515,860
45万円 5,400,000 749,232 113,800 272,500 4,264,468 355,372 79.0% 6,168,240
50万円 6,000,000 851,400 152,400 310,200 4,686,000 390,500 78.1% 6,873,000
55万円 6,600,000 953,568 191,000 348,000 5,107,432 425,619 77.4% 7,577,760
60万円 7,200,000 1,004,652 320,000 397,000 5,478,348 456,529 76.1% 8,230,140
65万円 7,800,000 1,106,820 409,500 440,700 5,842,980 486,915 74.9% 8,934,900
70万円 8,400,000 1,143,108 512,200 491,000 6,253,692 521,141 74.4% 9,571,188
75万円 9,000,000 1,167,300 638,000 547,600 6,647,100 553,925 73.9% 10,195,380
80万円 9,600,000 1,191,492 755,600 605,200 7,047,708 587,309 73.4% 10,819,572
85万円 10,200,000 1,215,684 873,200 662,800 7,448,316 620,693 73.0% 11,443,764
90万円 10,800,000 1,245,924 990,600 719,800 7,843,676 653,640 72.6% 12,074,004
95万円 11,400,000 1,276,164 1,124,300 776,700 8,222,836 685,236 72.1% 12,704,244
100万円 12,000,000 1,306,404 1,258,100 833,700 8,601,796 716,816 71.7% 13,334,484
110万円 13,200,000 1,372,932 1,550,700 947,100 9,329,268 777,439 70.7% 14,601,012
120万円 14,400,000 1,445,508 1,930,400 1,059,800 9,964,292 830,358 69.2% 15,873,588
130万円 15,600,000 1,518,084 2,310,100 1,172,500 10,599,316 883,276 67.9% 17,146,164
150万円 18,000,000 1,554,372 3,106,600 1,409,000 11,930,028 994,169 66.3% 19,582,452

端数処理により各欄の合計と手取りが±数円ずれる場合があります。住民税は「その年の報酬に対する額」で、実際の天引きは1年遅れです(注意点④)。

▶ 扶養家族がいる場合や神奈川県の料率、手取りから必要報酬を逆算したい場合は、役員報酬 手取り逆算シミュレーター(無料・令和8年対応)で自分の条件のまま計算できます。

Age 40 and Over

40〜64歳(介護保険料あり)の早見表

40歳になると介護保険料(1.62%・労使折半)が上乗せされます。報酬月額50万円では40歳未満より手取りが年39,000円少なくなります。

役員報酬の手取り早見表(40〜64歳・令和8年分・協会けんぽ東京)
報酬月額 年間報酬 社会保険料(本人・年) 所得税(年) 住民税(年) 手取り(年) 手取り(月あたり) 手取り率 会社負担込み総コスト(年)
10万円 1,200,000 176,400 0 5,000 1,018,600 84,883 84.9% 1,380,636
15万円 1,800,000 270,000 0 38,500 1,491,500 124,292 82.9% 2,076,480
20万円 2,400,000 360,000 10,200 83,500 1,946,300 162,192 81.1% 2,768,640
25万円 3,000,000 468,000 26,100 114,600 2,391,300 199,275 79.7% 3,479,232
30万円 3,600,000 540,000 43,900 149,500 2,866,600 238,883 79.6% 4,152,960
35万円 4,200,000 648,000 62,800 186,600 3,302,600 275,217 78.6% 4,863,552
40万円 4,800,000 738,000 82,800 225,600 3,753,600 312,800 78.2% 5,555,712
45万円 5,400,000 792,000 109,500 268,200 4,230,300 352,525 78.3% 6,211,008
50万円 6,000,000 900,000 147,500 305,500 4,647,000 387,250 77.5% 6,921,600
55万円 6,600,000 1,008,000 185,500 342,600 5,063,900 421,992 76.7% 7,632,192
60万円 7,200,000 1,062,000 308,400 391,200 5,438,400 453,200 75.5% 8,287,488
65万円 7,800,000 1,170,000 396,600 434,500 5,798,900 483,242 74.3% 8,998,080
70万円 8,400,000 1,212,120 498,100 484,100 6,205,680 517,140 73.9% 9,640,200
75万円 9,000,000 1,240,200 623,100 540,300 6,596,400 549,700 73.3% 10,268,280
80万円 9,600,000 1,268,280 739,900 597,500 6,994,320 582,860 72.9% 10,896,360
85万円 10,200,000 1,296,360 856,700 654,700 7,392,240 616,020 72.5% 11,524,440
90万円 10,800,000 1,331,460 972,000 711,200 7,785,340 648,778 72.1% 12,159,540
95万円 11,400,000 1,366,560 1,103,100 767,700 8,162,640 680,220 71.6% 12,794,640
100万円 12,000,000 1,401,660 1,235,800 824,200 8,538,340 711,528 71.2% 13,429,740
110万円 13,200,000 1,478,880 1,514,900 936,500 9,269,720 772,477 70.2% 14,706,960
120万円 14,400,000 1,563,120 1,890,600 1,048,000 9,898,280 824,857 68.7% 15,991,200
130万円 15,600,000 1,647,360 2,266,600 1,159,600 10,526,440 877,203 67.5% 17,275,440
150万円 18,000,000 1,689,480 3,061,100 1,395,500 11,853,920 987,827 65.9% 19,717,560

How to Read

手取り率は報酬を上げるほど下がる——3つの節目

65%70%75%80%85%90%月65万円で厚生年金は頭打ち(令和9年9月〜段階引上げ)85.7%66.3%10万30万50万65万100万150万

役員報酬月額と手取り率(令和8年分・東京・40歳未満)。10万円の85.7%から150万円の66.3%まで逓減します。

  • ① 所得税の累進税率:手取り率低下の主因。課税所得が増えるほど適用税率が5%→45%へ段階的に上がります。
  • ② 厚生年金は月65万円で頭打ち:標準報酬月額65万円を超える部分に厚生年金保険料はかかりません(健康保険の上限は139万円)。グラフの傾きが65万円を境に緩やかになる理由です。ただしこの上限は令和9年9月に68万円、令和10年9月に71万円、令和11年9月に75万円へ段階的に引き上げられます。
  • ③ 給与所得控除は年収850万円で頭打ち:850万円超で195万円の定額。報酬月額71万円あたりから控除が増えなくなり、課税所得の増え方が速くなります。
詳しく見る:厚生年金の上限引上げが表の手取りに与える影響

報酬月額が665,000円(健康保険36等級)を超える方は、令和9年9月以降、厚生年金保険料と会社負担が段階的に増え、この表の手取りは下がっていきます。上限に達している方の厚生年金の本人負担は、月59,475円(65万円)→62,220円(68万円)→64,965円(71万円)→68,625円(75万円)。令和11年9月時点で本人・会社それぞれ年約11万円の負担増です(社会保険料控除が増える分、所得税・住民税はわずかに減ります)。段階的な引上げの詳細は社会保険料の早見表の「厚生年金の上限」の章にまとめています。

▶ そもそも役員報酬をいくらに設定すべきかの考え方は、役員報酬の決め方【創業期の3ステップ】で解説しています。

Decision Points

早見表の次に考えること

Caveats

早見表を使うときの注意点

  • ① 期首3か月以内にしか変えられない。定期同額給与として損金算入するには、原則として事業年度開始から3か月以内の改定が必要です。年の途中で「手取りが思ったより少ない」と気づいても、原則その期は変更できません(例外は下の折りたたみ)。
  • ② 扶養・配偶者がいると手取りは増える。本表は独身・扶養なしの前提。配偶者控除・扶養控除の対象家族がいれば所得税・住民税が減り、手取りは表より多くなります。
  • ③ 賞与(事前確定届出給与)は別計算。事前の届出が必要なうえ、社会保険料の計算方法(標準賞与額)も月額報酬と異なります。
  • ④ 住民税は1年遅れでかかる。本表の住民税は「その年の報酬に対する額」ですが、実際の天引きは翌年6月から始まります。報酬を改定した最初の1年は前年の報酬をもとにした住民税が天引きされるため、手取りは本表と一致しません。
住民税は「1年遅れ」——報酬を改定した年の手取りは表と一致しない 改定した年(1年目)2年目3年目 役員報酬 新しい報酬(期首3か月以内に改定) 住民税の天引き 前々年 前年(旧報酬)ベース 6月〜翌5月 新報酬ベース=本表の金額 翌年6月〜 ▲ 6月▲ 翌年6月 報酬を増やした年は表より手取りが多く、減らした年は表より少ない。設立1年目は前年所得がなければ住民税の天引きは0円

表の手取りに近づくのは改定から2年目の6月以降。設立初年度や大幅な増減額の年は資金繰りに織り込む

詳しく見る:期中に改定できる例外(臨時改定事由・業績悪化改定事由)、住民税の課税年度

期中改定の例外:役職の変更など職制上の地位の変更による「臨時改定事由」と、経営状況の著しい悪化により第三者との関係上やむを得ない「業績悪化改定事由」による改定は、期中でも定期同額給与として認められます(法人税法施行令69条1項1号ロ・ハ)。ただし業績悪化改定事由は「一時的な資金繰りの都合」「単に業績目標に達しなかった」だけでは認められず、取引先・銀行・株主との関係で減額せざるを得ない客観的な事情が必要です(法人税基本通達9-2-13)。

住民税の課税年度:住民税は前年1〜12月の所得に対して課税され、翌年6月から給与天引き(特別徴収)が始まります(地方税法32条・313条・321条の5)。本表の住民税は「その年の報酬をもとに翌年度に課税される額」です。

FAQ

よくある質問

役員報酬30万円の手取りはいくらですか?
令和8年分の税制・協会けんぽ東京(令和8年度料率・40歳未満・扶養なし)の前提で、手取りは年2,891,560円、月あたり約24万1千円です。社会保険料が年510,840円、所得税が年45,300円、住民税が年152,300円かかり、手取り率は80.3%になります。
役員報酬50万円の手取りはいくらですか?
同じ前提で、手取りは年4,686,000円、月あたり約39万円、手取り率は78.1%です。会社負担分の社会保険料まで含めると、法人が実際に負担する総コストは年6,873,000円で、額面年収600万円の約1.15倍になります。
報酬を上げると手取り率が下がるのはなぜですか?
所得税が累進税率(5%〜45%)であるためです。報酬月額10万円では手取り率86%程度ですが、100万円では約72%、150万円では約66%まで低下します。一方で社会保険料は標準報酬月額に上限があるため、月65万円(厚生年金)を超えた部分には厚生年金保険料がかからず、負担の増え方は緩やかになります。この上限は令和9年9月から段階的に75万円まで引き上げられます。
社会保険料の負担を抑えつつ手取りを増やす方法はありますか?
役員報酬の増額以外の手段として、役員社宅制度の活用が代表的です。会社が住宅を借り上げて社宅にすると、賃貸料相当額の計算により、報酬を増やすより有利に手残りを増やせる場合があります。出張が多い場合は旅費規程の整備も選択肢です。いずれも要件を満たさないと給与課税されるため、設計段階での検討が重要です。
役員報酬はいつまでに決める必要がありますか?
定期同額給与として損金算入するには、原則として事業年度開始から3か月以内に改定する必要があります。期中の変更は原則できないため(臨時改定事由・業績悪化改定事由の例外あり)、決算後・期首のタイミングで、手取り・社会保険・法人税のバランスを見て決めることになります。

▶ 役員ではなく従業員(雇用保険あり・会社負担の列なし)の手取りは、年収別 手取り早見表(会社員版)をご覧ください。

役員報酬は一度決めると原則1年間変えられません。手取り・社会保険・法人税のバランスの最適点は会社ごとに違います。設立期・決算期の報酬設定のご相談は、初回無料でお受けしています。

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この記事を書いた人

プロゴ税理士事務所 代表税理士。東京国税局・東京国税不服審判所で15年、税務調査・審理に従事。非居住者課税の相談実務に精通する。大手YouTuberエージェンシーでの実務経験から、フリーランス・インフルエンサー特有の税務にも明るい。その後、IT企業でのプロダクトマネジメントを経て神奈川県川崎市で独立。税務メディアの記事監修も多数手がける。

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