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住民税はいくらから?非課税になる年収と早見表【令和8年度・令和9年度】

住民税がかかり始める年収のラインは、いま2年連続で動いています。令和8年度(令和7年の収入に対する住民税)は給与収入110万円まで、令和9年度(令和8年=2026年の収入に対する住民税)は119万円まで非課税(東京都特別区など・単身の場合)。「100万円を超えたら住民税」という古い目安のまま働き方を調整すると、令和9年度のラインより約19万円も低い水準で働く時間を抑えてしまうことになります。この記事では、非課税になる年収のラインと、年収別の住民税額を早見表にまとめました。あわせて、令和8年度税制改正で生まれた「所得税は178万円までゼロなのに、住民税は119万円からかかる」という新しいギャップも解説します。

Assumptions

前提——住民税のしくみと、この早見表の条件

住民税(市区町村民税+都道府県民税)は、定額部分(年5,000円=住民税の均等割4,000円〈特別区民税3,000円+都民税1,000円〉と、あわせて徴収される森林環境税〈国税〉1,000円)と、所得に応じた「所得割」(税率10%:特別区民税6%+都民税4%)の2階建てです。そして所得税との最大の違いは、前年の所得に対して翌年6月から課税される「1年遅れ」の税金だという点——令和8年(2026年)の収入に対する住民税は、令和9年6月からの納付(給与天引きなら令和9年6月〜令和10年5月)になります。

  • 本記事の税額は東京都特別区(1級地)・単身の前提で機械計算しています。標準税率は全国共通のため他の市区町村でもほぼ同じですが、均等割の超過課税(例:神奈川県は水源環境保全税で+300円)や政令指定都市の市・県の按分の違いなどで、数百円〜千円程度の差が出ることがあります。
  • 非課税の判定ラインは自治体の級地区分(1〜3級地)で異なります。本記事は、非課税ラインは1級地(東京23区や政令指定都市など大都市部)の基準、税額の早見表は東京都特別区の税率・制度を前提にしています。
  • 計算のしくみは自治体の公式計算例(江東区・令和8年度基準)と照合済みです。

Quick Reference

住民税が非課税になる年収ライン——110万円から119万円へ

住民税の非課税ラインは「合計所得金額45万円以下(単身・1級地)」で決まっており、この所得を給与収入に換算するラインが、給与所得控除の引き上げによって動きました。青字が令和9年度=いま(令和8年・2026年)の収入に効くラインです。

※「令和9年度の住民税」は令和9年6月から納める税金で、判定の対象は令和8年(2026年)1〜12月の収入です。

住民税が非課税になる給与収入のライン(東京都特別区など1級地・給与収入のみの場合。「均等割・所得割とも非課税」=個人住民税がかからないライン〈あわせて徴収される森林環境税も非課税〉、「所得割のみ非課税」=定額5,000円のみ負担するライン)
扶養親族の数 均等割・所得割とも非課税(令和8年度=令和7年の収入) 所得割のみ非課税(令和8年度) 均等割・所得割とも非課税(令和9年度=令和8年の収入) 所得割のみ非課税(令和9年度)
扶養なし(単身) 1,100,000円以下 1,100,000円以下 1,190,000円以下 1,190,000円以下
扶養1人 1,660,000円以下 1,770,000円以下 1,750,000円以下 1,860,000円以下
扶養2人 2,057,142円以下 2,214,285円以下 2,100,000円以下 2,214,285円以下
扶養3人 2,557,142円以下 2,714,285円以下 2,557,142円以下 2,714,285円以下

扶養親族がいる場合の非課税ラインは「35万円×(本人+扶養人数)+31万円(均等割)/+42万円(所得割)」の所得基準を給与収入に換算したものです。端数のある金額は給与所得控除の計算上の理論値です。

なぜ動いたのか。給与所得控除の最低保障額が、令和7年の税制改正で55万円→65万円(令和8年度の住民税から反映)、さらに令和8年の税制改正で74万円(令和9年度の住民税から反映)へと引き上げられたためです。非課税の所得基準45万円に給与所得控除を足すと、110万円→119万円です。なお、74万円のうち5万円は住民税では令和9・10年度分の特例のため、令和11年度分以降は給与所得控除の最低保障額が69万円となり、単身者の非課税ラインは114万円になる予定です。「103万円」や「100万円」を住民税の壁として覚えている方は、知識の更新が必要です。

For Part-timers

パート・アルバイトの住民税早見表——119万円を超えるといくら?

では、ラインを超えたらいくらかかるのか。令和9年度(令和8年の収入)の税額です。

パート・アルバイトの住民税早見表(令和9年度=令和8年1〜12月の収入に対する税額。東京都特別区・単身・社会保険未加入・所得控除は基礎控除のみ)
年収(給与収入) 住民税額(年) 内訳
100万円 0円(非課税) 均等割・所得割とも非課税
110万円 0円(非課税) 均等割・所得割とも非課税
115万円 0円(非課税) 均等割・所得割とも非課税
119万円 0円(非課税) 均等割・所得割とも非課税
120万円 6,500円 定額5,000円(均等割4,000円+森林環境税1,000円)+所得割1,500円
125万円 10,500円 定額5,000円(均等割4,000円+森林環境税1,000円)+所得割5,500円
130万円 15,500円 定額5,000円(均等割4,000円+森林環境税1,000円)+所得割10,500円
140万円 25,500円 定額5,000円(均等割4,000円+森林環境税1,000円)+所得割20,500円
150万円 35,500円 定額5,000円(均等割4,000円+森林環境税1,000円)+所得割30,500円

見てのとおり、ラインを1万円超えても住民税は年6,500円。所得割は年収全体にかかるのではなく、各種控除を差し引いた後の課税所得に対して計算されるため、ラインを少し超えた程度では税額もわずか——住民税だけを理由に働く時間をセーブする実益はほとんどありません。「壁を越えたら一気に手取りが減る」が実際に起きるのは社会保険の加入ライン(106万円・130万円など)の方で、住民税の壁はなだらかです。

▶ 社会保険に加入した場合の保険料額(月収別の本人負担・会社負担)は社会保険料の早見表【令和8年度】で確認できます。

▶ 税金・社会保険・扶養のラインを横断して確認したい方は年収の壁 早見表【令和8年度税制改正対応】をご覧ください。

Quick Reference 2

年収別の住民税早見表——会社員はいくら払っている?

次は社会保険に加入している会社員の早見表です。社会保険料を織り込んだ概算で、たとえば年収500万円なら年間約23.9万円・月あたり約2万円です。

※扶養家族なし・生命保険料控除等なしの概算です。

年収別の住民税早見表(会社員・令和9年度。東京都特別区・40〜64歳・単身・賞与なし・所得控除は社会保険料控除と基礎控除のみ)
年収 社会保険料(本人負担・年) 課税所得 住民税額(年) 月あたり(12回天引き換算)
150万円 234,300 95,000 12,000 1,000
200万円 316,000 514,000 53,800 4,483
250万円 372,500 867,000 89,100 7,425
300万円 483,000 1,107,000 113,100 9,425
350万円 557,500 1,382,000 140,600 11,717
400万円 632,000 1,698,000 172,200 14,350
450万円 706,500 2,023,000 204,700 17,058
500万円 763,000 2,367,000 239,100 19,925
600万円 930,000 3,000,000 302,500 25,208
700万円 1,097,000 3,673,000 369,700 30,808
800万円 1,231,060 4,438,000 446,200 37,183
900万円 1,285,200 5,334,000 535,800 44,650
1000万円 1,346,360 6,273,000 629,700 52,475

社会保険料は協会けんぽ東京・令和8年度料率(40〜64歳・介護保険料込みの本人負担)+雇用保険0.5%で計算。40歳未満の方は社会保険料が下がる分、社会保険料控除が減るため住民税はわずかに上がります。生命保険料控除・扶養控除・iDeCoなどがある方はここから数千円〜数万円下がります。給与天引き(特別徴収)は6月から翌年5月の12回で、端数調整により6月分だけ数百円多くなります。

The New Gap

「所得税は178万円までゼロ」なのに住民税がかかる理由

令和8年の税制改正で、単身・給与収入のみの場合、所得税は給与収入178万円まで課税されなくなりました(基礎控除104万円〈恒久62万円+令和8・9年分の特例上乗せ42万円〉+給与所得控除74万円)。ところが住民税の基礎控除は43万円のまま据え置かれたため、非課税ラインは119万円。つまり年収119万円超〜178万円の帯では「所得税はゼロなのに住民税だけかかる」状態が生まれています。令和9年6月以降、住民税の通知を見て「所得税はかからないはずでは?」と感じる方もいるはずですが、これは制度上の誤りではありません。所得税と住民税は、控除額も非課税の考え方も別物——このズレこそが、住民税を「わかりにくい税金」にしている正体です。

▶ 「そもそも自分は確定申告が必要なのか」の判定は確定申告の義務があるのは誰?【元国税調査官が図解】で整理しています。副業20万円以下で所得税の申告が不要な場合でも、住民税には20万円ルールがないため市区町村への申告が原則必要という論点も、あわせて確認してください。

Timing

いつ・どうやって払う?——住民税は「1年遅れ」

住民税は前年1〜12月の所得で計算され、翌年6月に決定通知が届きます。会社員は給与天引き(特別徴収)で6月〜翌年5月の12回、個人事業主やパートで天引きのない方は納付書(普通徴収)で原則6月・8月・10月・1月の4回払いです。この「1年遅れ」構造のため、退職・独立した翌年に前年分の住民税の納付書が届いて資金繰りを直撃するのは定番の落とし穴です。収入が下がっても前年分の住民税は満額かかります。

FAQ

よくある質問

住民税はいくらからかかりますか?
東京都特別区など1級地・単身・給与収入のみの場合、令和8年度(令和7年の収入)は110万円超、令和9年度(令和8年の収入)は119万円超からかかります。給与所得控除の引き上げで2年連続ラインが動いており、「100万円から」という従来の知識は古くなっています。
年収150万円のパートの住民税はいくらですか?
令和9年度(令和8年の収入・東京都特別区・単身・社会保険未加入・基礎控除のみ)で年35,500円(均等割5,000円+所得割30,500円)です。生命保険料控除などがあればさらに下がります。
所得税がゼロなのに住民税の通知が来たのはなぜですか?
所得税と住民税で控除額が違うためです。単身・給与収入のみの場合、所得税は基礎控除104万円+給与所得控除74万円により年収178万円までかかりませんが、住民税の基礎控除は43万円のままのため、非課税ラインは別で、119万円を超えると住民税はかかります。制度どおりの結果で、誤りではありません。
住民税を安くする方法はありますか?
ふるさと納税(寄附金税額控除)、iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)、生命保険料控除、医療費控除などが住民税にも効きます。特にふるさと納税は住民税から直接控除される割合が大きい制度です。控除の上限額は収入と家族構成で決まります。
退職した翌年の住民税が高いのはなぜですか?
住民税は前年の所得に課税されるためです。退職して収入が下がっても、働いていた前年分の住民税が翌年6月からの納付書で満額請求されます。退職・独立の資金計画には「前年分の住民税」を必ず織り込んでください。

住民税・所得税・社会保険のラインは毎年動いており、働き方や役員報酬の設計もそれに合わせた見直しが必要です。「うちの場合はどこまで働くのが得か」「手取りを最大化する設計」のご相談は、川崎の元国税調査官の税理士が初回無料でお受けしています。

プロゴ税理士事務所 税理士。元国税調査官。国税(調査・相談2万件・審判実務)×民間(事業会社実務・PdM)の経験からの複眼的な視点が強み。

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