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マネーフォワード×Claude連携 完全ガイド|AIに仕訳登録を任せる方法【2026年版】

2026.07.17
グラフ資料を前に握手を交わすビジネスパーソン

「銀行やカードの明細は自動で取り込まれるのに、仕訳にするのは結局、手作業」。マネーフォワード クラウド会計で自計化している経営者の方から、よく聞く悩みです。2026年、この「ぽちぽち入力」をAIに任せられる環境が公式に整いました。マネーフォワードが提供を始めた連携機能(MCPサーバー)を使うと、AIアシスタント「Claude(クロード)」が未仕訳の明細を読み、過去の仕訳を参照して勘定科目を提案し、あなたが承認した分だけ仕訳登録まで行ってくれます。

本記事では、税理士が、実際にデモ環境で仕訳登録まで検証したうえで、設定手順のすべてを公開します。追加のソフトは不要、この記事のとおり進めれば約10分で設定できます。

Conclusion

結論:仕訳の「ぽちぽち入力」は、AIに任せられる

先に結論です。マネーフォワード クラウド会計とClaudeを公式連携させると、次のことができるようになります。

  • 未仕訳明細の処理:たまった未仕訳をAIが読み、過去の仕訳を参照して科目を提案 → あなたが承認 → 登録まで実行
  • 仕訳の直接登録:領収書のリストや取引メモを貼り付けると、仕訳の形に整えて(確認後に)登録
  • 数字の質問:「今月の売上は?」「この経費、年間いくら使ってる?」に日常の言葉で回答

ポイントは、AIが科目を「当てずっぽう」で決めるのではなく、貴社の過去の仕訳実績を自分で調べてから提案してくることです。「東京ガス → 水道光熱費(前回と同じ処理)」という形で、その会社の記帳ルールに沿った提案が返ってきます。

Claudeが登録予定の仕訳をグループ名・仕訳の型・件数・合計金額・過去の処理実績の表で提案した画面

登録前に、仕訳の型・件数・金額・過去の処理実績が表で提示され、あなたの「OK」を待ちます

Security

仕組みと安全性:パスワードを渡さない「公式連携」

この連携は、マネーフォワード社が公式に提供する「MCPサーバー」という仕組みを使います。MCP(Model Context Protocol)は、AIと外部サービスを安全につなぐための標準規格です。難しく聞こえますが、利用者から見れば「マネーフォワード公認の連携機能」と理解すれば十分です。2026年3〜4月から全プラン(有償プランが対象・追加料金なし)で開放されています。

安全面の設計は3つあります。

  • パスワードを渡さない:接続はマネーフォワード公式のOAuth認証で行い、ClaudeにIDやパスワードを教えることはありません。連携はいつでも解除できます
  • 承認してから登録:後述の頼み方を使えば、AIは登録前に必ず仕訳の内容を表で提示し、あなたの「OK」を待ちます。さらに書き込みの直前には、Claude側の安全機能として確認画面も表示されます
  • 読み取りの範囲が明示される:接続時に「このアプリが要求する権限」が一覧表示され、何を許可するのかが確認できます

必要なものは、マネーフォワード クラウド会計の有償プラン(連携機能の利用条件です)と、Claudeのアカウントです。Claudeは無料プランでも設定できますが、利用回数の上限が小さいため、日常的に使うなら有料プラン(Pro)が現実的です。

Setup 01

設定手順①:Claudeにカスタムコネクタを追加する

ブラウザで claude.ai にログインし、「設定」→「コネクタ」→「カスタムコネクタを追加」と進み、次のとおり入力して「追加」します(デスクトップアプリでも手順は同じです)。

Claudeのコネクタ設定画面。追加メニューからカスタムコネクタを追加を選ぶ

「設定」→「コネクタ」→ 右上の「追加」→「カスタムコネクタを追加」

  • 名前:マネーフォワード会計(任意の名前で構いません)
  • リモートMCPサーバーURL:
    https://beta.mcp.developers.biz.moneyforward.com/mcp/ca/v3

このURLは、マネーフォワード公式サポートページ「マネーフォワード クラウド会計MCPサーバーについて」に掲載されている公式のものです。設定前に一次情報をご確認いただくことをおすすめします。

カスタムコネクタを追加ダイアログに名前とマネーフォワードMCPサーバーURLを入力した状態

名前とURLを入力して「追加」(詳細設定は空欄のままでOK)

Setup 02

設定手順②:マネーフォワードと接続する

追加したコネクタの「連携させる」を押すと、マネーフォワードのログイン画面が開きます。いつものIDとパスワードでログインし、自社の事業者を選択して「許可」を押せば接続完了です。許可画面には、このアプリが要求する権限(仕訳の参照・登録、明細の参照など)が一覧で表示されます。

Claudeのコネクタ一覧でマネーフォワードの連携させるボタンを押す

コネクタ一覧の「連携させる」を押すと、マネーフォワードの画面が開きます

マネーフォワードIDでログインする画面

「マネーフォワード IDでログイン」の画面

アプリとの連携を許可しますかの画面。要求する権限の一覧と許可ボタン

連携の許可画面。要求される権限を確認して「許可」

「アプリポータルを利用している事業者がありません」と表示されたら

ログイン後にこの画面が出た場合は、マネーフォワード側の連携設定(アプリポータル)が未開通です。最初の1回だけ、次の設定が必要です(マネーフォワードの「全権管理者」権限が必要です)。

アプリポータルを利用している事業者がありませんの画面

この画面が出たら「アプリポータルを利用開始する(無料)」へ(初回のみ)

  1. 「アプリポータルを利用開始する(無料)」をクリックし、利用規約に同意する
  2. アプリポータルの「ユーザー」→ 自分の名前 →「アプリ連携権限」の「編集画面」を開く
  3. 「アプリ連携」と「クラウド会計・確定申告」にチェックを入れて保存する
  4. Claudeに戻って、もう一度「連携させる」を押す

アプリポータルのユーザー情報画面でアプリ連携権限の編集画面リンクをクリック

「ユーザー」→ 自分の名前 →「アプリ連携権限」の「編集画面」をクリック

アプリ連携とクラウド会計・確定申告にチェックを入れて保存する編集画面

「アプリ連携」と「クラウド会計・確定申告」にチェック → 右上の「保存」

詳細はマネーフォワード公式の「アプリポータルの利用開始方法」「連携アプリの利用手順」をご覧ください。

How to Use

使い方:未仕訳を片付ける「コピペで使える定型文」

まずは動作確認です。新しいチャットで「マネーフォワードの未仕訳の明細、いま何件たまってる?」と聞いてみてください。接続中の事業者名と件数が返ってくれば、連携は成功しています。

Claudeがマネーフォワードの未仕訳明細の件数と内訳を回答した画面

接続中の事業者名と未仕訳の件数が返ってくれば成功です

続いて本道です。次の定型文をそのまま貼り付けてください。「確認してから登録」の安全装置を組み込んだ頼み方です。

マネーフォワード会計の未仕訳明細を整理します。次の手順で進めてください。

1. 未仕訳の明細一覧を取得して、件数と内訳を見せて
2. 各明細について、過去に同じ相手・似た内容の明細をどう仕訳したかを調べて(今期と前期の両方)、勘定科目を提案して。明細名に含まれる番号や日付は無視して調べること
3. 過去に例がないものも科目を推測して提案し、自信が低いものには「?」を付けて
4. 給与や社会保険料など、複数の科目に分ける必要がある明細には手を付けず、「いつもどおり画面で処理する分」として最後に一覧にして
5. 登録する内容(明細・金額・科目)を必ず表にしてチャットに表示し、私が「OK」と言った分だけ登録して、最後に登録結果を一覧でまとめて

※私の確認なしに登録しないでください
※未仕訳が50件を超えているときは、一気に全部やらず、内容が同じグループごとに分けて「確認→OK→登録」を順番に繰り返して

未仕訳整理の定型文をClaudeに貼り付けた実際の画面

定型文を貼り付けた実際の画面(範囲を絞って頼むこともできます)

AIが登録予定の仕訳を表で提示してくるので、内容を確認して「OK」「3番だけ科目を変えて」のように返すだけです。

はじめて登録するときは、確認画面が出ます

「OK」を出して最初に仕訳を登録するとき、Claudeが技術的な確認画面を表示します。英数字の羅列に驚くかもしれませんが、「マネーフォワードに仕訳を書き込んでいいですか?」というClaude側の最終確認です。「一度だけ許可」で1件ずつ進められます。画面によっては「このタスクに許可する」などの選択肢が出ることがあり、選ぶとそのチャットの中では以後の確認が省略されます。

初回登録時に表示されるClaudeの確認画面。一度だけ許可ボタン

はじめての登録時に出る確認画面(ボタンの文言は画面により多少異なります)

登録完了の報告。登録した仕訳の内容と未仕訳の残り件数まで確認して報告される

登録完了の報告例。未仕訳の残り件数まで確認して報告されます

マネーフォワード側の仕訳帳を開くと、登録された仕訳がその場で並んでいます。AI経由で登録した仕訳には「外部連携(API)」の表示が付くので、手で入力した仕訳といつでも区別できます。内容の修正も、通常の仕訳と同じように画面から行えます。

マネーフォワードの仕訳帳。AIが登録した仕訳に外部連携(API)と表示されている

マネーフォワードの仕訳帳。AIが登録した仕訳には「外部連携(API)」と表示されます

Case Study

実際にやってみた:AIは「二重計上のリスク」まで指摘してきた

デモ環境(サンプル会社)で、家賃・インターネット・携帯電話の3グループを実際に登録するところまで検証しました。印象的だったのは、登録前のAIの指摘です。

  • 同じ日付・同じ金額の明細が2つの口座に重複して連携されていることを見つけ、「誤って両方登録すると家賃・通信費が二重計上になる」と指摘し、片方だけを登録した
  • 地代家賃について「事業用物件なら課税仕入10%だが、居住用建物の賃借なら非課税仕入に該当する。用途を確認してほしい」と、消費税の論点を添えてきた
  • インボイス区分について、貸主・通信会社が適格請求書発行事業者かどうか未確認である旨を明示した

登録前にAIが二重計上リスクや消費税区分などの論点を条文付きで指摘した画面

登録前にAIが提示した論点の実際の画面。条文を挙げながら、確認が取れるまで登録を保留しています

税理士の目から見ると、この「勝手に決めず、論点を残す」挙動は重要です。AIの提案は万能ではありませんが、確認すべき点を確認すべきものとして提示してくる限り、実務の道具として十分に使えます。逆に言えば、こうした論点(消費税区分、インボイス、事業関連性)の最終判断は、これまでどおり人間の仕事です。

Limitations

できないこと・注意点

過度な期待を防ぐために、現時点でできないことも明記しておきます。

できないこと 対応方法
給与・請求書・経費など、会計以外のマネーフォワード製品のデータを見る・操作する 連携対象は「クラウド会計」のみ。給与仕訳などは従来どおり画面で
1つの明細を複数の科目に分ける仕訳(給与・社会保険料など)を明細から直接つくる 従来どおり画面で処理する(定型文では「手を付けない」よう指示済み)
登録した仕訳を削除する AIからは削除不可。誤登録は修正仕訳等で対応(顧問税理士に相談を)
証憑ファイルの添付・閲覧 マネーフォワードの画面で
勘定科目・補助科目・部門・自動仕訳ルールの追加・変更 マネーフォワードの画面で

また、未仕訳が何百件もたまっている状態でいきなり全部を頼むと、承認しきれない量の提案が返ってきます。定型文の最後に入れた「50件を超えるときはグループごとに分ける」の一文は、この失敗を実際に経験して加えたものです。たまったバックログの一掃は自動仕訳ルールや画面での一括操作と使い分け、AIには「毎月の維持」を任せるのが現実的です。

Perspective

税理士としての本音:どこまでAIに任せてよいか

役割分担を一言で言えば、「定型の入力はAI、判断は人間」です。毎月同じ支払いの科目づけはAIと自動仕訳ルールに任せて構いません。一方で、消費税の区分、インボイスの扱い、事業関連性の判断、給与のような複数科目にまたがる処理は、AIが「要確認」として残してくる領域であり、そこから先は税理士の仕事です。

当事務所では、この連携を顧問先さまの標準環境として位置づけ、スクリーンショット付きのセットアップガイドと初期設定のサポート(オンライン同席)をご用意しています。「記事を読んだが自分で設定するのは不安」という方も、遠慮なくご相談ください。

▶ 創業期にマネーフォワードで経理を自走させたい方向けのサポート内容は、マネーフォワード自計化に強い税理士のサービス案内で解説しています。

▶ 創業前〜2期目の方は、創業期の税務サポートから自社に合う進め方をご確認いただけます。

FAQ

よくある質問

Q.パスワードをAIに教えることになりませんか?
A.なりません。接続はマネーフォワード公式のOAuth認証で行われ、ClaudeがIDやパスワードを受け取ることはありません。連携はマネーフォワード側・Claude側のどちらからでも、いつでも解除できます。
Q.AIが勝手に仕訳を登録してしまいませんか?
A.本記事の定型文には「私の確認なしに登録しない」という指示が入っており、さらに書き込みの直前にはClaude側の確認画面も表示されます。二段構えの承認を通らない限り、帳簿には書き込まれません。
Q.無料で使えますか?
A.Claudeは無料プランでも設定・利用できます(回数制限あり)。マネーフォワード側は有償プランであることが条件ですが、連携機能自体に追加料金はかかりません。
Q.間違った仕訳が登録されてしまったら?
A.AIから仕訳を削除することはできない仕様です。修正仕訳を入れるか、マネーフォワードの画面で修正します。科目や消費税区分に関わる修正は、顧問税理士に相談することをおすすめします。
Q.freeeでも同じことができますか?
A.freeeにも公式のMCPサーバーがあり、同様の連携が可能です。当事務所はマネーフォワード・freeeの両方に対応しています。freeeで記帳ごと任せたい方はfreeeおまかせ記帳プランをご覧ください。

設定手順は以上です。本記事の内容は2026年7月時点の検証に基づいており、各サービスの仕様変更により画面や手順が変わる場合があります。最新の情報は本文中の公式サポートページでご確認ください。

AI×クラウド会計の環境づくりは、最初のひと月がいちばん大変です。元国税調査官の税理士が、設定から記帳の仕組み化までオンラインで伴走します。「記事のとおりにやったが、うまくいかない」だけのご相談でも構いません。

プロゴ税理士事務所 税理士。元国税調査官。国税(調査・相談2万件・審判実務)×民間(事業会社実務・PdM)の経験からの複眼的な視点が強み。

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