「会社設立の費用を抑えたい」「創業融資を少しでも有利に進めたい」——そう考える方が創業の前に押さえておきたいのが、特定創業支援等事業です。産業競争力強化法にもとづいて市区町村が認定を受けた創業セミナー等を、4回以上・1か月以上受けて市区町村の証明書を取ると、会社設立の登録免許税が半額(株式会社は最低15万円→7万5千円)、日本政策金融公庫の創業融資で特別利率、信用保証協会の創業関連保証が事業開始の6か月前から、小規模事業者持続化補助金の創業型、自治体の制度融資の要件緩和といった優遇を受けられます。
先に結論をお伝えします。この制度は「順番」で結果が決まります。登録免許税の半額は会社設立の登記のときに証明書の原本を出すことが条件なので、証明書は会社を作る前に手にしておきます。受講に1か月以上、証明書の発行にも日数がかかるため、設立したい日の2〜3か月前が動き出しの目安です。制度は全国共通で、証明書を出すのは「受講したセミナーを計画に載せている市区町村」です。本記事では制度の仕組み・対象者・優遇の中身と金額・取り方・自分の市区町村での探し方を、2026年9月30日時点の中小企業庁と川崎市の公表資料にもとづいて解説し、当事務所のある川崎市の受講プログラムを例として載せます。
▶ 公庫の創業融資そのもの(限度額・金利・審査)は日本政策金融公庫の創業融資、法人にするかどうかと設立の前後に決めることの順番は法人成りの目安と手順で解説しています。
この記事でわかること
- 特定創業支援等事業の仕組み——産業競争力強化法・市区町村の創業支援等事業計画・「特定」の要件(4分野・4回以上・1か月以上)
- 証明書がもらえる人——創業前、個人開業後5年未満、法人設立後5年未満(2024年9月の改正で拡大)、対象外になる人
- 5つの優遇と金額——登録免許税の半額、公庫の特別利率、創業関連保証の特例、持続化補助金の創業型、自治体の制度融資
- 順番と期限——会社設立の前に取る理由、有効期限、市外で創業する場合の扱い
- 取り方——受講から証明書の申請まで、必要書類、かかる日数、自分の市区町村での探し方
- 川崎市の例——令和8年度の受講プログラム一覧、申請方法、川崎市の創業支援資金の優遇
この記事とあわせて使う記事・ツール
| 記事・ツール | 確かめられること | 読む章 |
|---|---|---|
| 日本政策金融公庫の創業融資 | 新規開業・スタートアップ支援資金の金利の実額・審査・必要書類・申込みの流れ | 優遇の中身 |
| 法人成りの目安と手順 | 個人事業のままか法人にするか、設立の前後に決めることの順番 | 順番と期限 |
| 会社設立(創業支援プラン) | 設立の届出・会計の初期設定・融資準備を当事務所とセットで進める流れ | 川崎市の例 |
| 役員報酬の決め方 | 設立後3か月以内に決める役員報酬と、創業計画書の人件費 | 順番と期限 |
| 法人成りシミュレーター | 法人化した場合の税・社会保険料・手取りの試算 | 順番と期限 |
| 認定を受けた市区町村の一覧(中小企業庁) | 自分の市区町村が創業支援等事業計画の認定を受けているか | 自分の市区町村で受けるには |
Overview
特定創業支援等事業とは——市区町村の「創業支援等事業計画」に載った継続支援
特定創業支援等事業は、産業競争力強化法にもとづく制度です。市区町村が商工会議所・金融機関・支援機関などと連携して「創業支援等事業計画」を作り、国(経済産業大臣等)の認定を受けます。計画に定められた創業支援のうち、経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野の知識がすべて身につく継続的な支援が「特定創業支援等事業」です。セミナー等は原則として4回以上かつ1か月以上、専門家が個別に支援するハンズオン支援は1か月以上続くものが該当します。創業塾・創業セミナー・個別相談・インキュベーション施設での支援などがこれに当たります。
この支援を修了した方は、市区町村に申請して「認定特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」の交付を受けられます。この証明書が、次の章の優遇措置を受けるための鍵です。計画の認定を受けた市区町村は全国に広がっており、一覧は中小企業庁のページで確認できます。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 創業支援等事業計画 | 市区町村が民間の支援事業者と連携して作る創業支援の計画。国の認定を受ける |
| 特定創業支援等事業 | 計画に載った支援のうち、4分野・4回以上・1か月以上の継続支援。修了すると証明書の対象 |
| 証明書 | 市区町村が発行する「認定特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」。受講者個人の名前で出る |
| 認定連携創業支援等事業者 | 商工会議所・信用金庫・銀行・産業振興財団・民間のスクールなど、計画に載って支援を実施する機関 |
Eligibility
証明書がもらえる人——創業前と、創業後5年未満
証明書の交付対象は、これから創業する方と、創業後5年未満の方です。2024年(令和6年)9月2日に産業競争力強化法の施行規則が改正され、営利法人を設立した後の方も、設立から5年未満なら対象になりました。それまでは会社設立後の方は原則として対象外でした。
| 区分 | 対象 | 注意点 |
|---|---|---|
| これから創業する方 | 対象 | 証明書は受講者個人の名前で発行される。法人を作るなら発起人かつ代表者になる本人が受講する |
| 個人事業主として開業後5年未満の方 | 対象 | 開業後に法人化した方を含む。5年の起算日は個人の開業日(開業届の日付で確認される)。まだ法人化していない方は、設立前に証明書を取れば法人成りの設立登記で登録免許税の軽減を受けられる。法人成り済みなら、済んだ設立登記の軽減は使えない |
| 営利法人(株式会社・合同会社等)設立後5年未満の方 | 対象 (2024年9月2日〜) |
登記事項証明書で設立日を確認。設立済みなので登録免許税の軽減は使えない |
| 非営利法人(NPO法人・一般社団法人等)設立後5年未満の方 | 対象 | 証明書は受講者個人の名前で出る |
| 2社目以降の創業 | 対象外 | すでにある会社の代表者(代表取締役等)のまま新しい会社を作る場合。国のQ&A集では、代表権をもつ役員は証明の対象になる「事業を営んでいない個人」に当たらないと整理されている(代表権のない取締役はこの除外に当たらない)。1社目が設立5年未満なら1社目についての証明書は出る |
| 事業承継で会社を継いだ方 | 対象外 | 受講はできても証明書は出ない |
※区分は産業競争力強化法の「創業者」の定義にもとづく全国共通のもの。注意点のうち2社目以降の扱いは国のQ&A集(経営者である役員の範囲)と川崎市のFAQ、非営利法人・事業承継の扱いは川崎市のFAQによるので、申請先の市区町村の案内で確認
法人の場合は代表者本人が全部を受講することが条件です。代表者が複数いても手分けはできず、代表者以外が受講しても優遇は受けられません。
Benefits
証明書で受けられる5つの優遇——中身と、金額に直すといくらか
①〜④は産業競争力強化法などの国の制度にもとづく全国共通の優遇、⑤は自治体ごとに中身が違う優遇です。
| 優遇 | 内容 | 条件・注意 |
|---|---|---|
| ①登録免許税の軽減 | 会社設立の登記の登録免許税が資本金の0.7%→0.35%。株式会社の最低税額15万円→7万5千円、合同会社6万円→3万円 | 会社設立前に証明書を取り、登記時に法務局へ原本を提出。発起人かつ代表者になる本人が証明を受け、証明書を出した市区町村内での設立に限る(複数の市区町村が共同で計画の認定を受けている場合は、そのいずれかでの設立も対象)。対象は株式会社・合同会社の設立登記で、合名会社・合資会社・一般社団法人等の設立と、組織変更・役員変更など設立以外の登記は対象外。租税特別措置法80条3項、適用期限は令和9年(2027年)3月31日 |
| ②公庫の特別利率 | 新規開業・スタートアップ支援資金の利率が特別利率A(令和8年11月2日現在の金利表では基準利率より0.40%低い)。女性・35歳未満・55歳以上に該当すれば特別利率B | 創業支援貸付利率特例制度(−0.65%)と重ねられる。有効な証明書であること。創業後も使える |
| ③創業関連保証の特例 | 信用保証協会の創業関連保証(無担保・第三者保証人なし・保証限度額3,500万円)を事業開始の6か月前から申し込める(通常は個人事業の開始1か月前・会社設立による開始2か月前) | 事業開始前の申込みを前倒しする特例。申込みは各金融機関・保証協会で、審査がある。自治体によっては制度融資の要件緩和がこれと連動 |
| ④持続化補助金の創業型 | 補助上限200万円・補助率2/3(インボイス特例で50万円上乗せ)の創業型に申請できる | 第4回(令和8年12月15日締切)は、支援を受けた日と開業日(設立日)がいずれも公募締切から過去1年以内であることが要件(法人成りは個人の開業日が基準)。採択審査があり、商工会・商工会議所の事業支援計画書も要る。回ごとに公募要領で確認 |
| ⑤制度融資の優遇 | 自治体ごとに、創業向け制度融資の申込み時期の前倒し・利率や保証料の優遇など | 川崎市は創業支援資金の申込みが事業開始の6か月前から(通常は個人1か月前・法人2か月前)。内容は市区町村ごとに違う |
金額に直すといくらか——当事務所の試算
優遇の大きさは、会社を作るかどうか・いくら借りるかで変わります。よくあるケースで当事務所が試算した例です。
| ケース | 優遇なし | 証明書あり | 差 |
|---|---|---|---|
| 株式会社・資本金300万円(登録免許税) | 15万円 | 7万5千円 | 7万5千円 |
| 株式会社・資本金3,000万円(登録免許税) | 21万円 | 10万5千円 | 10万5千円 |
| 合同会社(登録免許税) | 6万円 | 3万円 | 3万円 |
| 公庫で1,000万円・7年返済(利息の総額) | 1,481,734円 | 1,327,731円 | 154,003円 |
| 公庫で1,000万円・10年返済(利息の総額) | 2,149,322円 | 1,922,520円 | 226,802円 |
※登録免許税は資本金×0.7%(軽減後0.35%)で、株式会社15万円・合同会社6万円が最低税額(軽減後は7万5千円・3万円)。公庫は基準利率4.00%→特別利率A 3.60%の例(令和8年11月2日現在の幅、基準利率3.75〜5.15%・特別利率A 3.35〜4.75%の中に置いたもの)で、元利均等・据置なし・借入返済シミュレーターと同じ端数処理。実際の利率は返済期間・使途・審査で決まり、金利情報は毎月更新されます。証明書と女性・若者・シニアの要件が重なれば特別利率Bでさらに下がります
株式会社を作って公庫で1,000万円を借りる典型的な創業なら、登録免許税7万5千円+利息15万円前後=20万円台の差になります。セミナーの受講料が無料〜数万円であることを考えると、受講の時間を確保できるかどうかが判断の分かれ目です。
▶ 公庫の金利の実額と特別利率の取り方、創業支援貸付利率特例制度との重ね方は日本政策金融公庫の創業融資の「金利」の章で解説しています。
Timing
順番と期限——会社設立の前に取る、有効期限、市外で創業する場合
登録免許税の軽減だけは「設立登記のとき」に証明書の原本が要るので、証明書は会社を作る前に手にしておきます
この制度は「順番」を間違えると取り返しがつきません。登録免許税の半額軽減は、会社設立前に証明書を取得し、登記時に法務局へ原本を提出することが条件です。先に設立登記をしてしまうと、あとから証明書を取っても軽減は受けられません。また、法人成りの場合の5年カウントは「法人設立日」ではなく「個人の開業日」が起算日です。開業届の日付ひとつで対象かどうかが変わる——日付・書類・順番を軽く見ないことが、税務でも創業支援でも鉄則です。
有効期限——3つのうち最も早い日
証明書の有効期限は、市区町村の運用でおおむね次の3つのうち最も早い日です(川崎市の場合)。①市区町村の創業支援等事業計画が終了する日、②創業から5年を経過する日(法人成りした方は個人の開業日が起算日)、③令和9年(2027年)3月31日(登録免許税の軽減の適用期限)。取ったら早めに使い切る計画を立てます。
市外で創業する場合——優遇ごとに扱いが違う
| 優遇 | 証明書を出した市区町村の外で創業する場合 |
|---|---|
| 登録免許税の軽減 | 原則として使えない。証明書を出した市区町村内での会社設立に限る(複数の市区町村が共同で計画の認定を受けている場合は、そのいずれかでの設立も対象)。設立予定地を変えるなら、新しい市区町村でも証明書の交付対象になるか(その市区町村の計画に載った事業を受けているか)を先に確認する |
| 公庫の特別利率 | 使える。公庫の制度ページは「認定市区町村が発行する有効な証明書」を要件にしており、川崎市の案内でも令和8年3月2日から市外創業も対象 |
| 創業関連保証の特例 | 使える。産業競争力強化法にもとづく全国共通の特例で、申込先は創業予定地の金融機関・信用保証協会 |
| 持続化補助金の創業型 | 使える(公募要領に「支援を受けた地域以外で創業した場合も対象」と明記) |
| 自治体の制度融資の優遇 | 自治体ごとの運用による。川崎市は創業支援資金の申込み時期の緩和を市外創業でも対象と案内しているが、創業支援資金そのものには市内に事業所を置くなどの申込資格がある |
受講するセミナーの市区町村と、会社を置く市区町村が違うなら、登録免許税の軽減は会社を置く市区町村の証明書が必要です(複数の市区町村が共同で認定を受けた計画のセミナーなら、そのいずれの市区町村に会社を置いても軽減を受けられます)。会社を置く場所が決まっているなら、その市区町村の計画に載ったセミナーを選びます。
Process
証明書の取り方——受講から申請まで
以下は一般的な流れです。修了の確認方法・申請様式・添付書類・手数料は市区町村と事業ごとに違います(川崎市の書類は下の表)。
市区町村の計画に載ったセミナー等を選んで受講する:修了条件は事業ごとに違いますが、原則として4回以上かつ1か月以上の継続支援です。通年型(オンライン・eラーニング)なら創業スケジュールに合わせて始めやすく、対面の連続講座は仲間と事業計画を作り込めます。
実施機関から修了証等を受け取る:支援を受けたことを証する書類(修了証・受講証明など)が交付されます。証明書の申請に添付するので保管します。
市区町村へ証明書の交付を申請する:申請書・修了証等に加えて、個人開業後の方は開業日の分かる開業届の写し、法人設立後の方は登記事項証明書の写しを添えます。オンライン申請と窓口・郵送のどちらかで、手数料は市区町村により無料のところが多いです(川崎市は無料)。
証明書を受け取って使う:発行には日数がかかり、郵送の期間も要ります。設立登記では法務局へ原本を提出、公庫・制度融資・補助金では申込み時に添付します。原本が複数要る場合は、写しの発行や再申請ができるかを市区町村に確認します。
| 必要書類 | これから創業 | 個人開業後5年未満 | 法人設立後5年未満 |
|---|---|---|---|
| 申請書 | ○ | ○ | ○ |
| 修了証等(実施機関の発行) | ○ | ○ | ○ |
| 開業届の写し(開業日の記載があるもの) | — | ○ | — |
| 登記事項証明書の写し(設立年月日の記載があるもの) | — | — | ○ |
※川崎市の運用。市区町村によって様式・添付書類は変わります
Nationwide
自分の市区町村で受けるには——探し方と選び方
会社を置く(開業する)市区町村が認定を受けているかを確かめる:中小企業庁の「認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要」で都道府県ごとに一覧できます。登録免許税の軽減を使うなら、会社を置く市区町村の証明書が要ります。
市区町村のページで「特定創業支援等事業」の一覧を見る:「○○市 特定創業支援等事業」で検索すると、計画に載ったセミナー・相談事業の一覧と証明書の申請方法のページが出ます。実施機関(商工会議所・信用金庫・銀行・産業振興財団・民間スクール)ごとに時期・回数・費用・対象者が違います。
自分の創業スケジュールと事業内容に合うものを選ぶ:設立日が近いなら通年型(オンライン・eラーニング)、事業計画を仲間と作り込みたいなら対面の連続講座、店舗や社会的事業など業種特化の講座があればそれも候補です。修了に1か月以上かかる点は共通です。
受講中に創業計画書を作る:セミナーで作る事業計画は、そのまま公庫の創業計画書の土台になります。証明書のためだけに受講するより、融資の準備を同時に進めるほうが時間の使い方として効率的です(公庫の創業融資の記事の「必要書類と創業計画書」)。
Kawasaki
川崎市の例——受講プログラム・申請方法・創業支援資金
当事務所のある川崎市は「川崎市創業支援等事業計画」の認定を受けており、証明書の交付対象者・優遇措置・申請方法は上の章のとおりです(市のページの2026年8月5日更新分にもとづく)。令和8年度の計画に定められた特定創業支援等事業は次のとおりです。2026年9月30日時点で開講済み・募集を終えたものも含みます(来年度の時期の目安として載せています)。時期・定員・費用は変わるので、申込み前に各実施機関に確認してください。
| 事業名(実施機関) | 時期・形式・費用 | 主な対象 |
|---|---|---|
| K-NIC起業相談プログラム K-NIC事務局 |
通年・オンライン・無料 | ディープテック分野の技術シーズで起業を目指す方、創業初期のスタートアップ等 |
| かわさき店舗出店支援プログラム(NOREN) 川崎市経済労働局 商業・サービス業振興担当 |
令和8年10月25日〜12月12日(全10回)・対面・2万円 | 市内の商業エリアで店舗での創業を予定・検討している方(選考あり) |
| ソーシャルビジネス起業スクール K-NIC事務局 |
令和8年9月4日〜10月17日(全6回)・対面・無料 | 市内でコミュニティビジネス・ソーシャルビジネスの起業を目指す方 |
| オンライン創業支援セミナー「みらい海図」 横浜銀行 創業支援デスク |
令和8年8月29日〜10月3日(全5回)・オンライン・無料 | 市内で1年以内に創業予定・検討中の方、創業後3年以内の方 |
| 女性起業家ビギナーズ向け「起業プラン作成支援講座」 川崎市男女共同参画センター(すくらむ21) |
令和8年10月18日〜11月29日(全5回)・対面・6千円 | 起業の目標時期が1年以内でアイデアが決まっている女性、起業5年以内の女性 |
| 想いをカタチに「想業セミナー」 川崎信用金庫 |
令和8年8月29日〜10月3日(全5回)・対面・無料 | 1年以内に市内で創業予定の方、個人開業5年未満・法人設立5年未満の方 |
| かわさき創業塾 川崎商工会議所 |
令和8年10月3日〜31日(全5回)・対面・無料 | 川崎市内で創業を志す方、中小・小規模事業者 |
| 初めての創業・実践スタートアップ講座 神奈川県行政書士会 |
令和8年11月14日〜12月12日(全5回)・対面・無料 | 創業や事業化に関心がある方、準備を進めている方 |
| かわさき起業家塾 川崎市産業振興財団 |
令和8年度は未定(前回は1〜2月・全8回・対面・1万円) | 起業・創業に関心のある方、ビジネスプランを磨きたい方 |
| KSPビジネスイノベーションスクール ケイエスピー |
令和8年7月〜令和9年1月(全13回)・対面・39.6万円 | 具体的な事業テーマをもち起業を志す方 |
| 起業セミナー・インキュベーション事業 銀座セカンドライフ(アントレサロン) |
通年・オンライン・受講料は要確認 | 創業予定の方、創業者 |
| つばめ創業セミナー フリー株式会社 |
通年・eラーニング・1.65万円 | 創業前の方、創業後5年未満の方 |
※川崎市「特定創業支援等事業について」(2026年8月5日更新)から。このほか、かながわサイエンスパークや明治大学のインキュベーション施設に1か月以上入居して4回以上の支援を受けた方、「かわさき起業家オーディション」で最終選考会に進出した方も修了扱いになります
川崎市への申請と有効期限
- 申請方法:オンライン申請フォーム、または窓口持参・郵送(経済労働局イノベーション推進部 創業担当)。手数料は無料。発行には一定の日数がかかるので、登記や融資・補助金の締切から逆算して申請します。
- 有効期限:①川崎市創業支援等事業計画の終了日、②創業から5年、③令和9年(2027年)3月31日のうち最も早い日。
- 市外での創業:登録免許税の軽減は川崎市内での会社設立に限られます。公庫の特別利率(令和8年3月2日から)、創業支援資金の申込み時期の緩和、持続化補助金の創業型は市外創業でも対象と案内されています(創業支援資金そのものには市内に事業所を置くなどの申込資格があります)。
川崎市の創業支援資金——証明書があれば6か月前から申し込める
川崎市の制度融資「創業支援資金」は、通常は個人が事業開始の1か月前、法人が2か月前から申し込めるところ、証明書があると事業開始の6か月前から申し込めます。創業支援資金のうちアーリーステージ対応資金は、創業関連保証等を使う区分(申込資格1〜3)では個人・法人とも信用保証料0.0%(一般保証の区分は年0.45〜1.90%)、スタートアップ創出促進資金は会社のみが対象で経営者保証が不要(融資限度額3,500万円・年2.2%以内〔自己資金の割合により2.1%・2.0%以内〕・10年以内・信用保証料0.5%。税務申告1期未了の場合は創業資金総額の1/10以上の自己資金が要件)です。いずれも市内に事業所を置く方(スタートアップ創出促進資金は市内に法人登記する会社)が申込資格です。融資の申込みは市の取扱金融機関の窓口で、申込みから実行までおおむね1か月程度と案内されています(市のFAQ、2026年6月更新)。公庫と制度融資を分けて借りる組み方は公庫の創業融資の記事の「公庫以外の選択肢」で解説しています。
受講に1か月以上、証明書の発行にも日数がかかるため、「設立したい日」から逆算すると、動き出しは2〜3か月前が目安です。もっとも、証明書のためだけに受講するのはもったいない話で、セミナーで作る事業計画は、そのまま公庫の創業計画書の土台になります。優遇措置と融資準備を一度に進められる——これがこの制度の本当の価値だと考えています。
Kawasaki Support
会社設立・創業融資と「セット」で使う
証明書の取得は、会社設立の日程・創業計画書・公庫や制度融資の申込み・設立後の役員報酬の決定と同じ線の上にあります。当事務所の創業支援では、受講の時期から設立登記・融資の申込み・届出までを一つの日程表にして進めます。川崎で会社設立・創業を検討中の方は会社設立(創業支援プラン)を、料金は料金表をご覧ください。設立後に最初に決める役員報酬は役員報酬の決め方で解説しています。
FAQ
よくある質問
出典・参考(2026年9月30日確認)
- 産業競争力強化法(創業支援等事業計画の認定・特定創業支援等事業)/租税特別措置法80条3項(会社設立の登記の登録免許税の軽減。適用期限令和9年(2027年)3月31日)
- 中小企業庁「創業支援等事業計画について」/同「認定を受けた市区町村別の創業支援等事業計画の概要」/同「創業支援等事業計画のガイドライン Q&A集」(令和8年8月)(特定創業支援等事業の要件、証明書の発行、登録免許税の軽減)/同「特定創業支援等事業を受けるメリット」(登録免許税、創業関連保証の特例〔6か月前・3,500万円〕、公庫の特別利率、持続化補助金の創業型)
- 川崎市「特定創業支援等事業について」(2026年8月5日更新。交付対象者〔令和6年9月2日の改正で拡大〕・優遇措置・申請方法・有効期限・令和8年度のプログラム一覧・よくある質問)/川崎市「創業支援資金」(創業前・創業後のFAQ 2026年6月29日更新)/同「アーリーステージ対応資金」・同「スタートアップ創出促進資金」(いずれも2026年6月26日更新)
- 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉(第4回 公募要領 第8版。申請要件〔支援を受けた日・開業日が公募締切から過去1年以内〕、補助率2/3・上限200万円)
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」(認定特定創業支援等事業の証明書を取得した方は特別利率A、女性・35歳未満・55歳以上に該当すれば特別利率B)/同「金利情報(国民生活事業)」(令和8年11月2日現在)
本記事は一般的な情報提供を目的としています。制度・対象プログラム・利率は変わることがあり、市区町村によって運用が異なります。実行前に必ず市区町村と各実施機関の最新の案内でご確認ください。
執筆:好川 寛(税理士・元国税調査官/東京国税局15年・調査・審理・国税不服審判所、IT企業でのプロダクトマネジメント経験)

